この空の花 - 「長岡映画」製作委員会 この空の花

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映画化の道程(6) 2011年4月号掲載

ヒロインは17歳の高校生、元木 花。

■いろんな史実を元に、劇映画として昇華させる

 長岡花火物語映画「この空の花」が7月下旬にクランクインされる予定だが、脚本を担当する長谷川さんや大林監督は映画のシナリオづくりの最後の仕上げに奮闘されているご様子だ。
 大林監督がしみじみと仰った言葉を思い出す。「脚本家はね、『これしかない』ものがあるから物語が描けるんだけど、長岡はそれがない。だから舞台脚本家の長谷川さんにお願いしたの。舞台の脚本家は何も無いところから描くことが出来るからね」と。


平潟神社にある平和像

 また、先日の記者会見では「シナリオでは、長岡の人達が体験されたいろんな物語を劇映画としてファンタスティックに語ろうとしています。いろんな史実を劇映画に変える取り組みに、じつは時間がかかっています」と語られていた。監督は、当初から市民と一緒に映画をつくる姿勢を明確にされている。市民との触れ合いを大切にされ、長岡空襲の体験談を今もなお、積極的に求められているのだ。
 監督が長岡にお帰りの際は、精力的に花火師宅や資料館・記念館を訪問され、柿川・信濃川周辺の戦災跡地も探索。山古志も訪問された。じつは、その訪問の先々で何かが起こる、不思議な偶然に遭遇するのだ。すると監督はたいそうお喜びになって「こういう偶然が重なると、良い映画になるんだよ」と、はしゃいでおられた。


花火師宅での取材

 監督は自らの目で確かめながら情報を集積して、疑問や要望を長岡衆に宿題として託すんですね、、、(大変なんですよ)。先ずは長岡空襲や長岡花火の文献・資料一式から始り、長岡市街地の道路が戦前と現在でどう変わったのかが知りたいとか、戦前・戦中の古い写真や戦前の古い建造物の資料が欲しいとか、長岡空襲を描いた紙芝居を貸して欲しいとか、、、。こんな具合で裏方さんも奮闘していたんですよ。そして長岡衆が大林監督に直談判してから1年が経とうとしています。その1年でみんなで一生懸命頑張って集めた成果が、大林宣彦流マジックで見事に花「長岡花火物語映画」となることを我らは待ち遠しく、ワクワクした気持ちで待とうではありませんか。

 

 それと、映画製作の資金調達もものすごーく大変なんです。勿論、製作委員会スタッフが一丸となって遁走中・奮闘中ですが目標にはまだ届きません。市民の皆様の更なるご協力をお願いします。市民による市民のための古里映画を成功させようではありませんか。

(昼行灯)