この空の花 - 「長岡映画」製作委員会 この空の花

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映画化の道程(10) 2011年8月号掲載

ロケ地は40ヶ所以上、シーン数200を越える大作

■豪華キャストが次々と長岡入り

松雪泰子
遠藤玲子役 松雪泰子さん
 長岡映画「この空の花」がいよいよ8月1日にクランクイン。長岡祭り前夜祭イベントの大観衆の中での撮影がかわきりとなる。大林監督の「スタート」の声は歴史の一ページとなるだろう。
 ロケは約50日間の予定と聞く。我らも未体験の長丁場ロケに武者震いがする。とにかく市民が作る映画を皆で汗しながら目いっぱい楽しもうではないか。さて、市民の皆様が最初に目にする映画の撮影シーンは、大手通りの大民謡流しに市役所互助会先頭に市長役の俳優が踊るシーンである。翌日2日と3日の長岡祭は大花火大会や街の賑わいの実景の撮影が予定。祭明けからいよいよ俳優入りのロケが本格化する。ヒロイン松雪泰子さんが演ずる遠藤玲子が長岡を訪れて、原田夏希さん演ずる地元新聞記者、井上和歌子と長岡市民が体験した戦争の記憶の地を訪れるシーンから始まる。

髙嶋政宏
片山健一役 髙嶋政宏さん
 現代のシーンと六十数年前の戦時中のシーンを一緒に撮影する様は想像できない。現場は果たしてどんなになるのだろうか。片山健一役の高嶋政宏さんは集会所シーンが最初となる。凛々しい演技が楽しみである。
 野瀬清次郎役の柄本明さんは野瀬宅(自宅)で、片山健一と生徒達に会うシーンが最初となる。御承知の通り野瀬清次郎は嘉瀬誠次花火師がモデル。大林監督やスタッフが幾度も嘉瀬花火師宅を訪れて取材して映画に織り込んだ物語は「掛け値なしで面白い!」。嘉瀬花火師の職人として頑固さの中に型破りのユーモアが秘められているこの見事なアンバランスを柄本さんはどう演じてくれるのだろうか、楽しみだ。

■元木花を演じるのは、一輪車の世界チャンピオン

猪俣南
元木花役 猪股南さん(新人)
 映画の全編に渡って風の様に表れては消える少女・元木花を演ずる新人猪股南さんは一輪車の世界チャンピオン。我らは演劇「津軽」で南さんの凛とした演技と一輪車の腕前にすっかり惚れ込んでいた。一言で「素晴らしい」。津軽を観た時から「この空の花」の出演を確信していました。
 リリ子役の富司純子さんは8月末の防空壕シーンが最初となる。リリ子は七里アイさんがモデル。富司さんと言えば年配はお竜さんをイメージする。記憶に新しいNHK朝ドラのおばーちゃん役の名演技。大好評でした。
 お盆過ぎから平和の森公園の柿川の舞台セットが建設されて撮影が開始される。この舞台では元木花の台本を仲間の高校生たちが演じる数々のシーンが展開される。舞台上で演ずる高校生エキストラは勿論、観客エキストラの大量動員も見込まれており、多くの皆様の参加をお願いします。

■「この映画は長岡市民が作るもの…」

 映画のロケ地は長岡地域から山古志地域、栃尾地域、越路地域、和島地域と広範囲の40個所以上となり、映画のシーン数は200にも及ぶ大作。監督は常々「映画は長岡市民が作るもので、私たちプロはお手伝いです」と言われた事を思い起こしながら、さあ、いよいよ「市民が作る市民のための古里映画の撮影開始でーす」

(昼行灯)