この空の花 - 「長岡映画」製作委員会 この空の花

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思い出編(2) 2011年11月号掲載

豪華キャスト、一輪車スペシャリスト、学生スタッフ、炊き出し隊

■多勢な豪華キャストが映画を盛り立てる

 この映画で驚くのは、50名以上もの豪華キャストが出演していることだ。監督は約束通り、映画界の仲間を長岡に招集し、長岡の仲間と手を組んで、大人としてやらなければならない、誇り高い映画づくりに挑戦されていた。なぜなら、未来の子どもたちに素敵な世界をつくってもらうために…。
主要キャストをあげると、(敬称略)松雪泰子、高嶋政宏、猪俣南、原田夏希、富司純子(すみこ)、柄本明、根岸季衣(としえ)、草刈正雄、片岡鶴太郎、犬塚弘、藤村志保、角替(つのがえ)和枝、笹野高史、尾美としのり、村田雄浩、油井昌由樹、筧利夫、寺島咲、星野知子、大久保運、森田直幸、蓮仏(れんぶつ)美沙子、ベンガル、坂田明、勝野雅奈恵、池内万作、渡辺大…。この引く手あまたのキャストたちは、スケジュールを調整しては長岡に集結し、監督の指導のもと、数々の名場面を生みだしていった。彼らのオンとオフの切り替えは見事なもの、さすがはプロだと感心させられる。キャストの中には、撮影の合間に情報を仕入れ、ご当地ラーメンや温泉巡り、夜の繁華街を堪能された方々も。やはり美味しいものには目がないようだ(笑)

松雪泰子 髙嶋政宏 猪俣南
松雪泰子さん 高嶋政宏さん 猪俣南さん
■一輪車の舞い

  この映画では随所に一輪車が登場する。
女子高校生・花役の猪俣南さんは一輪車の世界チャンピオン。長岡市内近郊で撮影された「舞う、花シリーズ」の映像は必見である。特にスピンする一輪車姿は鳥肌がたつほど可憐で美しい。
また、青森の豊田一輪車クラブ20名がつむじ風のように出現するシーンにもご注目あれ。普段はあどけなさが残る普通の女の子、男の子たちだが、ひとたび一輪車に乗ると豹変する。舞台を一輪車で疾走する姿はまさにプロの風格、観客を別世界に誘い込む。狭い階段や通路を前後左右と自在に走り回る技は、不断のハードな練習で培われたものだろう。
映画の中で、彼らがどのように登場し、私たちの度肝を抜いてくれるか楽しみである。

豊田一輪車クラブ 水道タンク
猪俣南と長生橋
■縁の下の力持ち

 この映画撮影で縁の下の役目を果たした学生スタッフも忘れられない存在だ。
新潟の国際映像メディア専門学校、長岡造形大学、倉敷芸術科学大学から十数名の学生がスタッフとして現場入りした。
撮影現場はまことに過酷なスケジュールであった。スタッフの平均睡眠時間は3、4時間あれば良い方だろう。クタクタになりながらも、彼らは一ヶ月半のロケを最後まで頑張った。当初、戸惑いがちだった表情もロケ終了後には何か大人びて、一回りも大きくみえた。
彼らは誠実で根性がある。どんなに疲れていても、明るい笑顔とあいさつを絶やさない。そんな君たちは、きっと責任ある社会人になるにちがいないね。

女の子 一生の記念になるでしょう
   

 また、長岡組では、長岡での撮影最終日を含め、数回の「炊き出し」を実行し、ロケ隊を労った。地元業者や一般市民のご好意によるものである。プロデュースは「長岡映画」製作委員会のメンバーでもある長岡観光コンベンション協会。きゅうり、ナス、トマト、枝豆などの新鮮夏野菜、栃尾の油げ、越後もち豚、越の鶏、車麩、日本海の幸など、長岡ならではの食材を使った手料理約130食分が提供された。
さらに、住民やファンからも野菜や果物、漬物、アイス、地酒などの差し入れがあり、大林組スタッフに「長岡のために良い映画をつくってください!」とあたたかいエールを送っていた。

炊き出し隊1 炊き出し隊2
炊き出し隊3 炊き出し隊4

思い出編(3)へ続く…